放熱ピンフィンのノイズに強いサキのAXIソリューション 3Xi-M200
ソフトウェアアップデートでパワーモジュール対応機能を強化
株式会社サキコーポレーション(東京都江東区、代表取締役社長:丹波優、以下サキ)は、パワーモジュール用X線自動検査装置(AXI)3Xi-M200の画像処理機能を強化しました。放熱ピンフィンの画像ノイズを除去するフィルタ機能に加え、モジュール基板面の高低差による影響を排除するオフセットフィルタ機能を新たに開発しました。これにより、パワーモジュールのはんだ接合不良の検出精度をさらに向上させました。これらの機能は、今春提供開始した3Xi-M200の最新版ソフトウェアへのバージョンアップで追加可能です。
パワーモジュールでは、はんだ接合の品質が信頼性を左右します。特に、はんだ層のボイド(空洞)は信頼性に大きく影響するため、製造工程の品質検査には高分解能で微細な欠陥を検出できるX線自動検査が求められます。
パワーモジュールはまた、大電流・高電圧を扱うため、放熱設計や大型パワーデバイスの搭載設計において、ヒートシンクの放熱フィンや基板面の高低差が大きい傾向があります。はんだ層やヒートシンクなどの多層・立体構造では、単純な2D透視では欠陥検出が困難です。しかし、サキのAXIは、平面物体撮像に特化したサキ独自のプラナーCT技術により、各層を分離し、ボイドを正確に検出することができます。
重厚なベースプレートを透過する高出力X線源を備えた3Xi-M200は、放熱ピンフィンの影響を除いた高解像度・高コントラストな画像によるボイド検査を可能にするノイズフィルタ機能を搭載し、パワーモジュール用AXIソリューションとして好評をいただいております。今回、最新ソフトウェアへのバージョンアップにより、モジュール構造の高低差による影響を除く機能を新たに追加。これにより、放熱ピンフィンの影(画像ノイズ)を除去してさらに鮮明なボイド検出が可能となり、より高精度な検査を実現しました。
ノイズキャンセル適応前(左)と適応後(右)の比較画像


サキのエグゼクティブフェロー 秋山吉宏は、次のようにコメントしています。「近年、拡大を続けるパワーモジュール市場において、コストや性能の自由度の観点から、放熱ピンフィン付きベースプレートに再び注目が集まっています。当社は2011年より、この分野にフォーカスしたX線自動検査ソリューションを提供しており、大手パワーモジュールメーカーをはじめ多くのお客様から高い評価をいただいています。私たちは、自社開発のハードとソフトで高性能化と高機能化を柔軟に実現し、パワーモジュールの品質向上に今後も貢献してまいります。」
